『戦争プロパガンダ10の法則』 読了!
「われわれは、戦争を望んでいるわけではない」
皆さんこんにちは。囲炉裏屋です。
今回ご紹介する本は、アンヌ・モレリ著、永田千奈訳の『戦争プロパガンダ10の法則』です。
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読もうと思った理由
- 人々を扇動する言葉を知り、その強さ、もろさを学ぶ
- 戦争モノの小説を書くときに参考になったら
印象に残った言葉
「戦争において、もっとも嫌悪すべきものは、戦争によって生じる廃墟ではなく、戦時にあらわれる無知と愚かさだ」
アナトール・フランス
読んで学んだこと
- 自身の正当化のために、敵の代表者を残虐な悪魔へと貶めるように仕向ける
- 言葉の虚実、誇張と隠匿を見極める能力が必要
感想
まず初めにお伝えしたいのは、僕はこの本を紹介することで、戦争そのものへの是非を問うことをするつもりはない、ということです。あくまで国と国、または地域と地域、自分の身の回りまで落とし込むと人と人との争いの中に、どんな理屈で言葉が作られているのかということに、興味がありました。
この本は、2度の世界大戦やその後の冷戦下における戦争、その場で使われたプロパガンダを例にとり、その法則を見つけ出すという作品です。
プロパガンダというものは、主に自国民に対して発されます。その目的は世論を戦争へと持ち込ませるため、戦争を継続させる感情を、戦時中も保つためにあります。ほかに目的があるにもかかわらず、です。
そのための方策が実例を交えてこの本の中にあります。
その中には、「プロパガンダはこういうものだろう」と思うような、当たり前となった言葉もあります。しかし、その言葉の法則が生まれたのは第1次世界大戦にもかかわらず、その後の戦争でも同じような言葉が繰り返されているのです。この部分に僕はものすごく興味を持ちました。
その言葉がどれほど危険なものなのか、客観的にはわかっているのに、いざその言葉を聞いたときにはうのみにしてしまう。しかもそれでいて、「この言葉はその法則には当てはまらない」、「自分たちは違う」と思い込む。これは日常生活でもやってしまいがちな、危険な考え方だと思います。
それを知るというより再確認することができただけでも収穫だと思いました。ご興味のある方はぜひお買い求めいただければと思います。
「あなたがたは、そして私自身も、大戦に身を捧げました。ここ数年、同じ国民でありながら、我国の捧げた犠牲が無駄であったと思わせるような非国民が存在する以上、われわれは彼らに立ち向かわなければなりません」
フランクリン・ローズヴェルト
それでは、また明日。
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